同友会ニュース

2021年2月3日

2021.2.3 松山市立鴨川中学校でキャリア教育授業を行いました!


▲人を一生支えられる企業になりたいと仕事の使命を語る本田さん
2020年度のキャリア教育講師派遣授業はすべて終了。ご協力ありがとうございました!!

2021.2.3 松山市立鴨川中学校でキャリア教育授業を行いました!

松山市立鴨川中学校2年生の授業にて、愛媛同友会の会員企業によるキャリア教育講師派遣授業を行いました。これは長年、愛媛同友会が職場体験実習等のキャリア教育の経験を重ね、2012年に同友会が松山市教育委員会と包括協定を締結して市内小中学校で行っている共同事業ですが、新型コロナにより県下の職場体験実習が軒並み中止となる中、地域の学校の期待に応えてキャリア教育授業を行う形となりました。

 今回は810名の方にご登壇・参加して頂きました。ご多用中にもかかわらず、未来ある地域の子どもたちへ素晴らしい授業を行っていただき、誠にありがとうございました。

 もしご興味、関心のある企業がありましたら、愛媛同友会事務局までお問い合わせください。

 

<登壇された8社の皆さま(社員含む)>

・株式会社フェローシステム 人財開発部部長 馬場 友加吏 氏
https://www.fellow.co.jp/

・株式会社紫蘭 代表取締役 池野 幸子 氏
https://shiran.ehime.jp/

・株式会社昆布森 常務取締役 好永 隆之 氏、宮本 晃 氏
https://www.konbumori.co.jp/

・有限会社モンド 代表取締役 中道 昇 氏
https://mondo-ehime.com

・有限会社阿部木工 代表取締役 阿部 祥太 氏
https://abe-mokkou.jp/

・有限会社オルソ本田 取締役 本田 美紀 氏
http://orthohonda.com/

・藤岡萬建設有限会社 代表取締役 藤岡 貞雄 氏
https://www.f-yorozu.com/

・株式会社クラッチ 代表取締役 渡邉 泰正 氏、伊藤 陽介 氏
http://www.intheclutch.jp/

 

株式会社フェローシステム 人財開発部部長 馬場 友加吏 氏
フェローシステムは障害のある方にIT技術を習得してもらいながら就労支援を行っています。例えば耳の聞こえないスタッフもホームページを制作したり、イラスト制作、チラシ製作、販売の仕事ができ、口でマウスを動かせることができれば寝たきりの方でも販売の仕事ができると話します。自分たち職員のIT技術を障がいのある利用者に使っていただく仕事をしていると紹介しました。

アフリカ事業ではアフリカ(マラウイ)の布を輸入して雑貨を作ったり、また利用者が野菜を栽培して、レストランで使って事業を行っていることなど、障がいのあるスタッフとともに働く様子を紹介しました。

 また、講師の馬場さんから、「なぜ働くの?」と生徒のみんなに問うと、「お金を稼ぐために生活するため」「給料をもらって楽しいことをするため」等の声が。それぞれ正解で働くことには様々な意味があると馬場さん。お金で楽しいことをすることもできるし、「仕事そのものが自分の好きな喜ぶことができることだったら、仕事そのものが人生をよくする」ものになると話します。

「よく自分の得意なこと、強みが分からない。だから将来も不安だという声も多い。人間、できる事、出来ない事は必ずある。そのデコボコのあるみんなが、一緒になって出来るところ伸ばしていくチームで考えるのが重要だと考えている。社会の中で役割分担できるということが重要」と語りました。

 その後、フェローシステムの理念を紹介。会社の目指すビジョン・キャッチコピーに共感できるかどうかは大事なので、会社のホームページなどをよく見てもらうのがよいのではないかと具体的なアドバイスをして頂きました。

 

株式会社昆布森 常務取締役 好永 隆之 氏、宮本 晃 氏
昆布森さんは、松前町の珍味製造の企業です。昆布の産地・北海道の説明。実際に昆布を披露して頂くと、生徒は楽しそうに駆け寄ります。実際にものに触れながら授業を行っていただきました。

 今回はお仕事体験として、包装物の商品を段ボールに詰める体験をして頂きました。ちょうど20個段ボールに収めるもので一見簡単に見えますが、なかなかうまくいきません。「仕事」の難しさ、大切さを知ってもらう良い機会になりました。

 最後に、事業の理解を深めて頂くことも込めて、生徒の皆さんにも商品をお配りしました。

 

有限会社モンド 代表取締役 中道 昇 氏>
 モンドは水産加工卸の企業です。中道さんは水産加工・卸業。まずは加工卸のお仕事を板書して説明したほか、日本の企業のうち99.7%が中小企業であり「多くの人が中小企業で働いているのが世の中だ」、「よい会社は大企業だけではない。中小企業にもたくさんある」と話しました。

 

有限会社阿部木工 代表取締役 阿部 祥太 氏>
 阿部木工は、据え付け家具のものづくり企業です。機械で加工した木工品にも触れてもらい、ワークショップ形式も取り入れてコミュニケーションのとり方も工夫して、授業を行いました。男性中心の会社のイメージをしがちな業界ですが、会社紹介では機械化を進めて女性社員の多い会社であること、法人向けの顧客を中心とする企業であることなど、生徒たちがあまり知られていないことも伝えました。

 
株式会社紫蘭 代表取締役 池野 幸子 氏>
 今回初めてキャリア教育講師派遣授業に登壇して頂いた池野さん。紫蘭はなくなられた方の顔の復元・美装などをする、いわゆる「おくりびと」のお仕事です。ご多用中にもかかわらず、生徒のために復元体験のキットを準備して頂き、復元体験は大変な盛り上がりになりました。

生徒からは「残された遺族のために誇りをもって働かれ、やりがいのある仕事だと感じた。今回の話を将来に生かしたい。ありがとうございました」と感想とお礼の言葉がありました。

 

<藤岡萬建設有限会社 代表取締役 藤岡 貞雄 氏>
 藤岡さんは住宅建築の会社で、いわゆる大工さんのお仕事を紹介して頂きました。実際に手掛けた家、茶室、和室など様々な内装・外観の様子をスライドで分かりやすく紹介していただき、「断熱材など温熱環境の建築は昔に比べてもかなり進化している。1年通して夏も冬もあまり気温が変わらない住宅となっている」など、業界の技術向上も説明。図面の書き方などもパソコンとモニターをつないで解説しました。

 また、藤岡さんの住宅のお仕事現場には、内装、防水、板金、左官など、なんと!25~30種類の職種の人が出入りし、300人は出入りして住宅が出来ると話します。「住宅は、すそ野が広い仕事。当然給料もその地域にお金を落とすことができるので、住宅業界は経済効果の大きい仕事です」と地域で果たす役割まで語っていただきました。

人手不足の建設業界です。機械化されて重いものを持つ事はほとんどないので、体力は必要ですが女性も十分に働ける職場になっています。ぜひ住宅の仕事を知って共感してもらい、「将来は一緒に仕事をして盛り上げてほしい」とエールを子どもたちに送りました。

 

<株式会社クラッチ 代表取締役 渡邉 泰正 氏>
 有限会社クラッチは、障がい者就労支援A型事業です。バイクを解体して、障害のある方に部品を磨いてもらい、インターネット販売する仕事です。新型コロナにより飛行機などの公共交通機関の利用が激減する中、バイクの需要も見直されており、さながら“バイクバブル”なのだそうです。
サービス管理者の
伊藤さんからは、自前のバイクを準備していただき、インスタントカメラを準備して記念撮影までしていただきました。

 伊藤さんからは自身が医療従事者として、「人と関わる仕事はなくならない」。特に若い生徒の皆さんは、人と関わるきっかけとして「ボランティアをぜひ積極的にやってみてほしい。人と関わる経験を通してやりたい仕事を見つけていけるのではないか」とアドバイスしました。
渡邉さんからは「やりきっただけの価値あるものが返ってくる。夢は必ずかなう!」とよどみなく語りかけました。生徒からは「
渡邉さんの貫く信念が心に残った、将来に生かしたい」と感想の声が聞かれました。 


今回は学生補助員として愛媛同友会事務局で勤務している山内康平さんに見学した(株)クラッチさんと(有)オルソ本田さんの感想レポートを寄せてもらいました。本田さんの授業の様子は下記紹介に代えさせていただきます。

以下から。
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本日は、貴重なお話を聞く事ができました。大学生は、オンラインでの講義が主流となり、zoom等を活用した講義も少なかったので、実際に現場で働く方々の声を聴き、少しでも会話することができる機会があるという事は非常に有難い経験であることを改めて実感しました。

私は有限会社オルソ本田さんと株式会社クラッチさんの2社の講義を見学させていただきました。義肢・装具を作り、身体的にハンデを持つ方を支えるオルソ本田さんと、知的障がい者も精一杯働ける会社を作るというクラッチさんには、共通して、「すべての人が自信を持って生きられる社会を作る」という想いがあると感じました。

このコロナ禍において、大変な思いをされている企業もたくさん存在している中で、「関わる全ての人を大切にする」ことができる企業は少ないと思います。しかし、こんな状況下でも、利益だけでなく、人や地域、教育に力を入れる企業が存在しているという事を私たちは知らなければならないし、それを伝えてもっとたくさんの方に知ってもらえるように活動する必要があると思います。

文責:愛媛県中小企業家同友会 安丸雄介

▲働くのはなぜ?と問う馬場さん

 

▲人の最期にも向き合う仕事の誇りについて話す池野さん

 

▲復元体験を生徒たちに指導する池野さん

 

▲中小企業にもたくさん良い会社があると説明する中道さん

 

▲昆布の産地について説明する宮本さん

 

▲生徒に昆布森の商品詰め体験をしてもらいました。

 

▲ものづくりについてお話しして頂いた阿部さん

 

▲阿部木工の機械でつくられた木工品

 

▲建設業界はすそ野が広い仕事と紹介する藤岡さん

 

▲夢は必ずかなう!と熱く生徒にエールを送る渡邉さん

 

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