同友会ニュース

2015年5月2日

愛媛同友会創立30年!第31回定時総会に175名が参加!!【第2部】


記念パネルディスカッションで、30年の教訓を学ぶ!
  423日(木)、松山全日空ホテルで、延べ175名が参加して盛大に開催された、愛媛同友会第31回定時総会。

 当日の目玉とも言える、第2部:30周年記念パネルディスカッションの様子をお伝えします。

 

<第2部:30周年記念パネルディスカッション>

愛媛同友会30年の教訓を学ぶ!熱く鋭いパネルディスカッション

 

30年間の歩みを振り返るスライドを上映>

 第2部の司会は武田正晴さん。最初に愛媛同友会の30年間を振り返るスライドを上映。30年間の同友会運動の足跡や、若い頃の姿・・・懐かしい写真の数々が続き、上映後には会場から自然と拍手がわきあがりました。

 続いて、愛媛同友会の十八番であるBGM・・・今回はボブ・ディランの「風に吹かれて」に乗って、パネリストの中同協副会長の国吉昌晴さん、愛媛同友会代表理事の服部豊正さん、愛媛同友会専務理事の鎌田哲雄さん、コーディネーターの愛媛同友会代表理事の平野啓三さんが登壇。30周年記念パネルディスカッションのテーマは「愛媛同友会30年の歩みから生まれたカタチと教訓 ~企業・同友会・地域の過去・現在・未来の姿を学ぶ~」です。

 

<今回のパネルディスカッションの目的とは>

 今回のパネルディスカッションの目的は4つ。1つは、愛媛同友会の概要、設立過程、実践過程、効果、および愛媛同友会設立と実践における企業や地域における同友会の役割と全国の同友会運動における位置づけの理解を図るということ。2つ目は、同友会総会であるため、会員を対象としつつ、会歴の浅い会員の同友会運動への理解促進にも配慮するということ。3つ目は、4人のパネリスト・コーディーターの報告により、愛媛同友会の優れた点を参加者の企業づくり・地域づくり・同友会づくりに生かしているのかを点検できる内容に努めるということ。そして4つ目は、愛媛同友会30年の教訓は何か?を導き出し、次代を担う会員・事務局の展望を示すものとすることです。

 司会の武田さんから「愛媛同友会の30年間の歩みは戦略と創意工夫、努力、実績、地域活性化に関わる人々との人間的信頼関係と産学官報連携などの機能的な組織づくりをプロデュースしてきたものであり、微力ながらも愛媛県の地域・経済・文化の安定と発展に寄与してきました」との説明があり、いよいよパネルディスカッションがスタートしました。

 

<国吉さん・・・逆境を突破する原動力とは>

 愛媛同友会の創立から関わっていただいている国吉さんは、まず、創業事務局長である鎌田さんとの出会いについてお話しされました。当時の保守的な愛媛県内の風潮の中、任意団体を創立するには強い想いを持った事務局長が必要だったこと。大阪出身の鎌田さんが愛媛に飛び込み、たった一人で愛媛同友会を立ち上げてきたことを紹介する言葉からは、国吉さんと鎌田さんの信頼関係が感じ取れました。そして、長く中同協から愛媛同友会を見てきた経験から、全国における愛媛同友会の先進性を高く評価いただきました。例えば、愛媛同友会が1994年以来取り組んでいるキャリア教育が、2007年に全国の同友会として初めて文部科学大臣表彰を受けたこと。愛媛同友会が松山市と愛媛大学と協力して取り組んでいたものが、現在の「企業変革支援プログラム」へと結実し、全国に普及していること。そして、松山市中小企業振興基本条例の中の中小企業関係団体の定義に、全国で初めて「中小企業家同友会」が明記されたということ。そして、金融機関との連携や支部拡大といった、今後の愛媛同友会への期待が述べられました。

 

<服部さん・・・「社員が生き生きと働ける職場」を目指して>

 服部さんは、当日も来賓としてご参加いただいていた香川同友会の三宅さんと出会い、その「人間尊重の経営」を目の当たりにして、創立期の愛媛同友会に入会しました。そして、「社員が生き生きと働ける職場」を目指して、経営理念に基づく経営を実践してきた体験をご報告いただきました。また、同友会で共に学ぶ中で、泉製紙株式会社の宇高昭造さん(20143月に逝去)と交流を深め、同友会理念に基づき、世界的にも類を見ない同業他社間の連携=アイネット株式会社の設立に至ったことも報告いただきました。そして、「苦しい時に必死に頑張っていれば、不思議と誰かが助けてくれる」という言葉は、いかなる状況においても経営者としての責任を果たし続けてきた服部さんの姿勢をあらわすものでした。

 

<鎌田さん・・・「世の中は信頼に足る」ことの証明を30年間、問い続けて>

 愛媛同友会創業事務局長である鎌田さんは、創立以来30年間に亘って経営者の皆さんと共に歩んできた実践的体験を報告。「義理と人情と浪花節を科学するのが中小企業経営者です」との定義に、会場から感嘆と笑いが起きました。信頼関係を大切にして作り上げてきた産学官報連携の戦略、人(経営者自身)育てに力を入れてきた愛媛同友会の学びの姿勢について、改めて考えました。そして、「同友会運動の真骨頂とは、経営者の経営姿勢を問い続け、自己変革し続けることです」と問題提起。「壇上にいる服部さん、国吉さん、平野さんは、まさに凡事徹底と積小為大を実践してきた人です」と、紹介しました。「『世の中は信頼に足るもの』。このことを確信し、実現するために同友会があるのです」「失敗をオープンにし、それを教訓化して伝えていく人が“憧れの存在”。皆さん、“憧れの存在”になりましょう」とメッセージを送っていただきました。

 そのための経営姿勢として、(1)「社員や顧客と対話する=先見性と行動力を発揮する」、(2)「応対事例を徹底する=ノートをつけることや御礼のハガキを書くなど、凡事徹底」、(3)「直言できる関係をつくる=優しい冷たさではなく、厳しい温かさ」、(4)「人と人の関係性を大切にする=何を言うかではなく、誰が言うかで人は動く」、(5)「本質をとらえる=一言で伝えられるようにする」という5つのポイントを提示されました。

 

<平野さん・・・自分自身の変革を通して、企業変革を実践中>

 コーディネーターである平野さんからも、同友会での学びを自社でひたむきに実践していることを報告。薬剤師から経営者へと成長しようと苦しみ、同友会に出会って自ら飛び込んだこと。そして、経営指針を成文化して全社一丸体制づくりに取り組み、「人を大切にする経営」を実践していること。さらにはその延長として、今後の課題としてエネルギーシフトへの取り組みについても提起されました。

 パネルディスカッションに参加した守谷和久会員からは、「これまで、何度も色々な会でパネルディスカッションのコーディネーターを務めたが、こんなに熱く凄みのあるパネルディスカッションは初めてです」との感想をいただきました。

 

 武田さんの「愛媛同友会が30年間、この愛媛の地で培ってきた、企業づくり、地域づくり、同友会づくりの教訓をパネリストとコーディネーターに、丁寧に体験に基づいて報告いただきました。次代を担う私たちは、11つの教訓を自らや企業や地域や同友会に置き換えて、実践してまいりましょう」とのまとめで、パネルディスカッションを締めくくりました。

 

<参加者の声・・・アンケートより>

○愛媛同友会を築き、長く支えていただいてありがとうございます。守り、発展させ、次代に繋いでいきます。

○「自己変革できる人が同友会に残っていく」という言葉、その通りだと感じました。

○鎌田さんの「同友会の学びは『義理と人情と浪花節を科学する』という言葉に感銘を受けました。自分が目指す経営を言葉にしていただきました。

○「世の中は信用できる」という社会をつくります。すなわち、「この会社は社員を守ってくれる。この会社は信用できる」と社員から言ってもらえる会社をつくります。

○立派な同友会役員になるのではなく、学びを経営にいかします。自分が「経営者」であることが重要であると改めて認識しました。

○歴史から、今までの学びを確認し、これからの同友会運動をどうするのかが見えた。学びの実践と増強を考えたいと思います。

○同友会運動の本質は人にあり、まず自らの自己変革を謙虚に続けることで、会社や地域をより良くしていきたいと感じた。

○体験・経験から出てくる言葉の意味の深さに多くの学びをいただきました。

○「凡事徹底」を大切にします。

1年、1ヶ月、1日の積み重ねの繰り返しで、今日があるということを体感できました。11日をどう過ごすか、改めて考えます。

○人として、経営者として、会員として、またリーダーとしてどのような姿勢であるべきなのか。本質を常に考えて、継続的に高い志で取り組んでいきたいと思います。

○問題と課題をとらえ、それから逃げることなく手を打っていくことが大切だと感じました。

○常に学びの姿勢を忘れず、社員と共によい会社づくりのために行動していきたいと思います。鎌田さんの、経営姿勢を確立するための5つのポイントに納得しました。

○経営者として徹底的に信念を貫いているのかを見直せました。

○同友会の不変的な運動を今一度学び確認できました。人として生きる姿勢、考え方、理念を大切にしていきます。

○愛媛同友会の30年間の歩みが間違っていないことが伝わってきました。

○皆さんの努力の上に、今の私たちの学びがあります。30年という重みを感じると共に、心から感謝しています。

文責:大北雅浩(愛媛同友会 事務局)

▲第1部の司会は桑波田健さんでした

 

▲第2部司会の武田正晴さん

 

▲30年を振り返るスライド上映

 

▲パネリストの国吉昌晴さん

 

▲パネリストの服部豊正さん

 

▲パネリストの鎌田哲雄さん

 

▲コーディネーターの平野啓三さん

 

▲熱く語るパネリストの皆さん

 

▲参加者も真剣そのもの

 

▲「もっと聞きたかった」という声が多く挙がりました

 

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