同友会ニュース

2018年2月27日

事務局 会員訪問DAY


▲合同会社発達の木前(右から3番目:今岡健一・代表社員)
合同会社発達の木へ会員訪問を行いました。
  今回は今岡健一さん(今治支部)が経営をしている合同会社発達の木へ事務局で訪問しました。発達の木は発達障がいや知的障がいのある小学生から高校生を対象に放課後等デイサービスを行っており、現在約40名が利用しています。
 もともと今岡さんは町の電気屋さんの2代目として同友会にも2008年に入会するも、当時は学びに意義が見い出せずに退会をしてしまいました。その後、奥様が作業療法士で親戚に障がい者がいたことも背景にあって、放課後等デイサービス事業を立ち上げることになり、改めて同友会で経営について学びたいという思いから再入会されました。
 
発達の木は感覚統合療法をメインに独自の療育を行っているのが特徴で、他の事業所にはあまりない強みです。独自のワークや感覚刺激風呂などの静的活動とボルダリングやスイング器具(ブランコ等)、トランポリンなどの動的活動を通じて、感覚を刺激することで空間認知や時間軸、自分の体を認知することについて段階を踏んで出来るようになることを目指しています。「最初に大切なのは子どもたち一人ひとりに合わせて動機づけ、クリアできる目標を設定することだ」と語る今岡さん。
 例えば、ボルダリングをする時には子どもの好きなカードを目標位置に貼って、カードを取ろうと体を動かすように動機づけを行っています。体を動かすことで脳への刺激が高まり発達すると、今度は子どもたち自身が自分の足りない刺激を求めて、別の遊びをやりたいと言い出すそうです。この自分でやりたいことを探すようになることが、重要で成長の一つだそうです。
 こうした子どもの主体性を成長させる方法や動機づけは、障がい者支援だけでなく、社員教育の考え方にも通じると感じました。
 
 現在の経営課題は「社員教育」。社内で「発達の木がめざす理想」をテーマにワールドカフェを実施した際も、社員から今までに気づけなかった思いや悩みが出てきました。順調に事業が進んでいたと思ったところ社員の退職もあり、社員・スタッフの動機づけが課題だそうです。同友会でも例会や障がい者委員会に積極的に参加され、学びを実践に結びつけています。
 
 今後の目標は、子どもたちが社会に出て、一般の職に就けるようにすることだそうです。今岡さん自身が職人ということもあり、子どもたちに内職のような技術にとどまらず、大工や木工、クロス張り等の専門的な技術を身につけてもらい、最低賃金の給与体系ではなく、一般的な給与体系の企業に就職を出来るようにしたいと語ります。本人だけでなく、社会や雇用者のみなさんが幸せになれるような支援を目指しています。
 今治支部3月例会では創業の想いから社員の退職、多様性を理解した仕組みづくり、今後の展望についても赤裸々に報告される予定です。

下記にホームページ・フェイスブックアドレスを掲載しておりますので、ぜひご覧ください。
療法士が提供する放課後等デイサービス、発達みかんの木 https://hattatunoki.jimdo.com/
フェイスブック https://www.facebook.com/hattatunoki/
 
文責:住田昌士 愛媛同友会事務局員
 

▲スイング器具を使って感覚を刺激

 

▲ボルダリング

 

▲トランポリン

 

▲本当に広い空間の中で体を動かすことができます

 

▲理論的にも子どもの発達と脳の働きについてお聞きしました

 

ページの先頭へ戻る