手段としての民主ではなく、目的としての民主

吉岡 毅氏

<吉岡 毅・プロフィール>
1944年生まれ。有限会社吉岡建築設計事務所 代表取締役。 愛媛県中小企業家同友会会計監査。
1987年3月入会。四国中央支部設立会員であり、その後四国中央支部の発展に寄与、四国中央支部副支部長、会計監査を歴任。
「自分と同友会をつないでいるものは、自主・民主・連帯の精神」であり、「表面だけで、厳しさのない人間的関係は、中途半端であり、うまくいかない」。同友会は、「人間としての本当の厳しさと生きることを学ぶことのできる経営者の会」。を座右とする良識の人。

―入会のきっかけ

同友会の自主・民主・連帯の精神を聞いた時に抵抗がなく、特に民主が好きだったので同友会で学ぼうと思いました。100人、150人もの社員さんのいる会社の社長と対等に話しができました。それは同じ中小企業家だからです。言いたいことを言い合いました。企業規模が経営者の評価で判断されるものではなく、人です。大企業の経営者だからといって見識・見解があるわけではありません。

 

中小企業家同友会ですから、経営者一人ひとりが中心であることが同友会の良い所だと思いますし、私は信念として「民主」を持っています。だから同友会に入会しています。
―同友会での学び

印象に残っているのは高速道路の整備されていない頃に亡くなられた泉製紙(株)の宇高昭造さんと共に川之江から松山まで行って会合に参加していました。その時に宇高さんと多くのことを話し、学び合ったことです。

 

同友会入会当時は同友会があまり社会に認められておらず、「民主」という考え方はなかなか受け入れられませんでした。手段として「民主」を用いる人がいますが、そうではなく、目的としての「民主」が重要だと思います。それが同友会だと思っています。

 

経営者自分一人ではなく、社員との関係がとても重要だと改めて気づかされました。
また、同友会で学んだことは、厳しさをなくさないことです。人間は甘いですし、しんどいことは誰でも嫌です。しかし自分に対しても他人に対しても厳しさを持つことが大切だと思います。厳しさのない中途半端は何事もうまくいきません。

 

同友会に入会してとても勉強になったと思っています。

―経営での失敗や成功

1977年に仕事を始めてから、ずっとですが、業績だけ上げようとすることはできます。しかし私はそうしません。信念があるから。考えなしで仕事をする、量で仕事をすることはしません。売上や社員数等の量が経営者の評価とされることもありますが、そうではないと思っています。そして同友会は量で評価するような場ではありません。成功とまでは言いませんが、信念を貫き通していることが一つかもしれません。

―同友会への期待

経営と同じで永続できるように、自分の意志を継ぐ次の人、後継者を作ることをしていってほしいと思います。私には後継者はいませんが、会社が潰れても自分の意志・考え方を継ぐ、想いを通わせる人材の育成をすることが重要なことなのではないかと思います。私でいうと実習や研修できた人たちがそうです。意志を継ぎ、今後の社会を担う人材の育成こそ大切だと思います。

インタビュアー・文責:伊井 達哉(愛媛同友会 事務局員)

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