鎌田哲雄の同友会形成コラム「陶冶(とうや)」

 

2007年度 バックナンバー

VOL.42

昨年9月28日から始まった仲間づくり運動が2月29日でゴールを迎えました。2月28日には愛媛同友会過去最高の会員422名を達成。この5カ月で104名の新たな仲間を迎え入れることが出来ました。

 

そもそも仲間づくり運動は、2006年度に策定した第四次中期ビジョン(愛媛同友会の十年後の姿)から始まります。約二年間の会内での周知を経て、仲間づくり運動がスタートしました。その目的は【1】新たな会員を「拡大」する【2】現在の会員が会活動に「参加」する【3】新会員や現行会員が仲間づくり運動に参加して、同友会理念実現をめざす仲間となることです。

 

運動の期間中に様々な入会ドラマが生まれました。20年前に退会した経営者の息子さんの入会や6年ぶりに復活した会員。ビジネスマンから転身して起業直後の会員等々。共通しているのは自己と会社を変革したいという意思を持っての入会です。

 

仲間づくり運動の成功の鍵は、【1】「学べる例会づくり」の徹底【2】「会内外への大胆な声かけ」の追求【3】会員・役員・事務局を含め「一人ひとりの持ち味」を最大限活かした活動を最後まで貫いたこと【4】そして、『勝利の方程式』を『仲間づくり運動方程式』と進化して確立していったことです。

 

「愛と感動と悔しさと涙と、そして情熱を持った経営者が真摯に経営に向かってゆくドラマが同友会運動」であると達成祝賀会で大野栄一代表理事が語りましたが、多くの期待に応えるためにも仲間と共に愛媛同友会の新たなドラマを創ってまいりましょう

 

VOL.41

2008年最初の今治支部例会で秋川保親氏(愛媛同友会)が「人生に必要なものは夢と勇気と少しのお金。そして信じられる友」(喜劇王C・チャップリン)の言葉を引用して仲間づくりの大切さを報告しました。

 

昨年9月28日の仲間づくり運動キックオフ集会が今月の29日でゴールを迎えます。仲間づくり運動の目的は、【1】新たな会員を「拡大」する(増強の増の部分)【2】現在の会員が会活動に「参加」する(増強の強の部分)【3】新会員など多くの会員が仲間づくり運動に参加して、同友会理念実現をめざす仲間となることです。

 

仲間づくり運動期間の四カ月で60名を超える新たな仲間を迎え入れることが出来ています。鋤柄修・中同協会長を報告者に迎えての四支部合同一月例会ではその場で十二名の入会表明がありました。

 

今月は“創意工夫の運営”と“実践に裏付けられた会員”が報告する例会が全ての支部で開催されます。例会に参加された皆さんの感想も「学び合いの濃さもさることながら、初めての参加なのに親身なアドバイスや励ましをもらって嬉しかった」等。三宅昭二氏(香川同友会)は、かつて「人は連帯の中にいることを実感した時に、喜びを感じる」と話し連帯の大切さを説きました。多くの経営者は、私たちの仲間づくりへの呼びかけを待っています。

 

VOL.40

年が改まり、会員皆様には心新たに新年を迎えられたことでしょう。今年の干支(えと)は“子年”(ねどし)です。子年の年は、世の中が複雑化して政治的・経済的・社会的に閉塞感が漂う中、無駄な枝葉を取り払い“新芽”が出てくる年と古来いわれています。新しい芽を伸ばすために、問題点を明らかにすると共に、「理念とビジョン」に照らした改革を行い、新しい芽を“本物の芽”に育てる年としてまいりたいものです。

 

昨年の10月から愛媛同友会は仲間づくり運動をスタートさせて2月29日にゴールを迎えます。この3カ月で40名を超える新たな仲間を迎え入れることが出来ました。入会動機の共通点は、経営課題を解決したい。経営者としての基礎を学びたい。自己と会社を変革したい。等々です。この期待に応えるためにも仲間づくり運動を成功させ同友会の基礎体質にすることが肝要です。

 

作家の吉川英治氏は、かつて「やさしい、むずかしい、どっちもほんとだ。しかし、むずかしい道を踏んで、踏み越えて、真にむずかしい苦悩をした上で、初めてやさしい。それを知った者でないと、本物ではない。」と本物という意味を伝えています。今年も連帯の精神を大いに発揮して“皆様が立てた目標”の達成に邁進してまいりましょう。

 

VOL.39

愛媛同友会がこの10月から取り組んでいる、仲間づくり運動にも熱が入ってきました。来年の2月29日までに420名会員を目指しています。11月には、全ての支部で支部例会が開催され多くのゲスト参加で賑わいました。

 

経営環境が厳しさを増す中の仲間づくり運動は、同友会の元気な姿を会員自身の実体験を通して語ることが決め手です。学びあい活動で「わが社はどう変わったのか」「入会して会社の課題が明確になったこと」などの自己と会社の変革のプロセスを素直に伝える。経営指針成文化セミナーに参加して強い体質の企業に転換できた事例などは最適です。

 

一九九四年から続けている中学校の「職場体験学習」活動の実績が評価され、11月には愛媛同友会がキャリア教育優良団体として文部科学大臣表彰をうけました。このように地域社会にあっても確実に同友会運動は広がっています。

 

入会を勧めることは、相手への最大の親切であり、共に時代を切り拓く頼もしい仲間の知恵を得る事でもあります。同友会の語り手を増やし、愛媛県内に同友会の風を巻き起こし、さらに会内では、仲間づくり運動を一時的な活動にするのではなく愛媛同友会の体質としてまいりたいものです。

 

VOL.38

秋口に入り、景況は一段と厳しさを増しているのは第18回EDOR(7月~9月期景況調査)で「厳しい」の声が高いことでも明らかです。

 

厳しい情勢を主体的に切り拓く方策を学び、経営に勇気と自信を深める目的で開かれているのが支部例会です。各支部例会もいろいろですが、学びあう真剣さ、熱気、明るさは共通しています。

 

「知っていることと実践することとの間には天と地ほどの差がある」とはこの間、実感してきた言葉ですが、経営者としての学び方の真髄がここに込められています。つまり、経営とは常に変化しながら動き続ける生き物であり、経営者の理念、方針、計画は現実の経営に具体化・実践されて初めて力となり生命ある輝きを放つということです。

 

しかし、経営者が「学んで変わる」ことは口で言うほど簡単ではないことは筆者の体験からも想像できます。「これだ」と信じる事を組織改革にぶつけ、組織内の意見を聞きつつも反対、消極の対立物を乗り越えて新しい境地を切り開く。「あの人は変わった、成長した」との周りの評価は変革する姿勢を貫くなかで築かれるものです。

 

学びあい活動と並行して力を入れているのが今秋からの「仲間づくり運動」です。周りの経営者、後継者、幹部社員にぜひ、入会を勧めましょう。会で学び自社の変革にどう役立ったのか、自分自身の経験を話す事です。「こんな企業を目指そう」と夢を語り合う「仲間づくり」をこの秋、大いに広げましょう。

 

VOL.37

台風一過の青空がまぶしい山口県で第35回青年経営者全国交流会が開催された。メインテーマは、「みんなちがってみんないい」。これは山口県に生まれた詩人・金子みすずさんの詩「わたしと小鳥とすずと」の一節。交流会はこの詩に貫かれた命の根源である「人間尊重」を問う二日間となった。

 

OL後、結婚をされて専業主婦に、その後一転して4代目経営者となった異色の女性経営者である本多充世会員が「勇気を出し、挑戦し続ける!~『出来ないことはない』これが顧客満足を高めること」をテーマに“顧客満足を高める”経営実践を率直に問題提起。

 

創業者、後継者、幹部社員と全国から集まった多様な参加者は、「自社の強みは何か。」「顧客満足を高めるためにどのような工夫をしているのか。」「どうすれば社員と共に育ち合えるのか。」を問いあった。

 

分科会には、90名を超える全国からの参加者があった。座長の三好大助会員のリードよく、自分達の言葉で話すことを心がけた運営はさわやかであり、心なごみ本質に迫る分科会となった。

 

仲間たちと一緒に歩いた下関の街の夜空には希望の星の数々。それぞれの志を理解し合い実現するライバルであることを誓い合った青年経営者全国交流会となった。

 

VOL.36

“良き指導者”とのめぐりあいは一生を決してしまうほどの出来事なのでしょう。大関で元琴風の尾車親方も先頃亡くなった元横綱琴桜の先代佐渡嶽親方との出会いを「技術だけではなく、人生のすべてを指導してもらった」と話しています。

 

その重い役割をみるにつけ、横綱朝青龍にも良き指導者がついていたらと思います。彼がとった行動が、なぜ罰せられるのか。それを教えるのは親方の役目です。しかし、当の高砂親方がアドバイスしたことは、「とにかく辛抱だ」。

 

自宅にこもる朝青龍が謝罪会見をこばみ、モンゴルに帰りたいと訴えるのも、相撲協会の処分に納得できない表れでしょう。実際、高砂親方に「何でこうなるの?」と気持ちをぶつけてきたといいます。

 

「約六週間の休養、加療を要する」との診断で巡業を休みながらモンゴルでサッカーを楽しんでいたこと。それが、協会とファンを欺き大相撲の社会的信用を傷つけたこと。指導者がそこを解きほぐし、心から反省させることが大切です。

 

「あなたの存在」がどれだけ周囲にとって必要かを説き。社会においては、「人間的信頼関係に立ち、当てにし、当てにされる関係」をつくることが大切という“連帯の精神”をしっかりと伝え、納得を得ることが、良き指導者を志す、“良き経営者”にとって必要だと感じる夏の日です。

 

VOL.35

「治に居て乱を忘れず」と言いますが、なかなかに難しいことです。先日、同友会の役員の方に言われました。「同友会では、如何なる境遇にも耐えて、ひたすら前向きに挑戦する経営姿勢を学んだが、経営が危機に直面して縮小や整理を余儀なくされ、一歩後退しても再建をはかるという場面での勉強はしてこなかった」と。

 

先行き不透明な景気の中で、以前は優良企業として注目され脚光を浴びていた企業が人員整理や倒産の憂き目にあう例は同友会でも少なからずあります。成功の体験からだけではなく、“失敗と苦闘”の体験から、よりよく学ぶことは同友会会員の学び方の基本です。

 

人間は、病を得て健康の有難さを実感することが多々あります。大病を患った経営者の話を聞いたことがあります。それは「闘病生活の時、病に立ち向かう姿勢の大切さを学んだ」とのこと。「無気力感に陥りすべてを暗く考える人、社会復帰をあせり精神のゆとりと安定を失っている人など。」その方曰く、「学んだのは、病気と上手く付き合い、療養に専念し、ゆとりをもって未来に対応していこうということ」。

 

「治に居て乱を忘れず」とは、経営には危機管理が大切ということです。経営破たんの内容を見ると資金計画、債権管理など日常に安心しすぎ、あまりにも危機管理を甘く見すぎることも自戒せねばならいのではないかと思います。但し、危機に直面しても、“慌てず、騒がず、対応する”ことが基本だと感じる今日この頃です。

 

VOL.34

毎週ごとに違った「格言的」な言葉を書き込んだ手帳を使っています。この数年、それを毎日頭に入れて仕事にとりかかるいことにしています。格言的と言ったのは、言葉そのものを文字通り読むだけでは、ごく当たり前のことが多いからです。

 

たとえば「消極的で否定的な思考より、積極的な思考を持て」とか「心というのは使うべきで、使われるものではない」などの言葉が書き込まれており、特別の名言でもありません。しかし、そう思って胸に刻んでみると、いかに当たり前のあるべきことが自分の日常から抜けているかに気づいたのが、毎日読みとることにした理由です。

 

今週の言葉は「人生というものは、そこに進歩と向上があってこそ、生きがいを感じ、勉強もし、努力もするもの」でした。まさに、生き方を考える基本ではないかと思います。

 

果敢に攻めなければ前進もありませんが、平凡であっても基本の言葉を一つずつ反芻(はんすう)することの大切さもしみじみ感じる今日この頃です。この手帳には、「良い事も、悪い事も長続きはしない」とあります。不透明で厳しい環境だからこそ、“くじけず、おごらず、あきらめず”何事からも学ぶのが、同友会精神と心に刻む日々です。

 

VOL.33

5月の第21回四国中央支部総会・歴代支部長対談で「私と同友会との出合いは21年前。最初に参加した川之江・伊予三島支部設立準備会例会(現・四国中央支部)で三宅昭二さんの生々しい経営実践報告を聞き、自分の目指していた“人間尊重の経営”をものの見事に実践していることに感動して入会しました。」と語る愛媛同友会代表理事の服部豊正氏は、同友会のリーダーでもあり業界の要職も兼ねています。

 

服部氏は、入会当初から例会や全国大会に積極的に参加してきました。先日の県総会では部長の石川勝子さんが第四期同友会大学での学びを発表するなど、この数年前から全社あげて同友会活動にも参加。社員と共に学びあっている姿はご存知の通りです。「同友会と企業経営、個人の人生も一心同体のようになっている。」と同友会との関わり合いを服部氏は述懐します。それだけに新しい会員を迎え、“知恵のページ”を増やすことは人一倍熱心です。

 

愛媛同友会は今年度会員増強を重点的に取り組みます。入会を勧めることは自分と会との関りを見つめ直すチャンス。同友会にとっても魅力を磨き直す機会です。“感動ある例会”にゲストを誘い、見て、ふれて、討論し、納得と合意で入会する着実な増強が望まれます。それが「勝利の方程式」の真髄でもあります。特に、ご無沙汰会員への訪問も会の活性化には重要です。

 

服部氏をはじめとした会員が創り上げてきた”誠実でたゆみなく学び続ける愛媛同友会の会風“を基礎に、企業経営と同友会運動を不離一体とする活動をたくさんの人たちと共に育てあいましょう。

 

VOL.32

4月24日、愛媛同友会の第23回総会が開かれました。一年間の活動を振り返り、2007年度の方針を採択した大切な行事でした。

 

総会では、一年間の活動を深めるために課題別報告会を設けています。「新しい支部づくりで、共に学ぶ仲間の輪を広げよう」会員拡大活動、「社員との共育を活動の柱に」例会・経営指針・社員教育委員活動、「勝利の方程式」で同友会の質を高める活動等々の3テーマで五人の会員と一人の社員が特色ある報告を行ないました。

 

大阪同友会の例会づくりに学んだ愛媛同友会の取り組みは、会員増強活動とも関連して「勝利の方程式」として愛媛同友会の活動を支える重要な取り組みとなっています。「勝利の方程式」とは、例会の質を高めるため報告・グループ討論充実(例会リーフレット作成)の保障、ゲスト参加を会員拡大に結びつけるための保障、例会改善の保障(定性的なアンケート作成並びに幹事会における例会総括の徹底)を中心としています。

 

その運用は、幹事会で例会内容を吟味⇒事前報告会開催⇒ゲスト参加⇒当日の例会⇒例会懇親会⇒入会⇒幹事会でアンケートに基づいた総括を行なっています。昨年度は、全支部で「勝利の方程式」が運用され例会の充実と会員拡大につながりました。因みに、九月からの例会ゲスト参加44名・入会33名・入会率77%。今年度も、昨年度の教訓を活かし、質と量で飛躍しましょう。

 

VOL.31

2月の第37回中小企業問題全国研究集会で愛媛同友会代表理事の大野栄一氏が「“夢と誇りの持てる、活力ある企業づくり”へのあくなき挑戦~時代変化に対応した企業づくり人材育成が決め手~」をテーマに報告しました。

 

そもそも、大野氏が経営指針を作成したきっかけは、1987年に開催した愛媛同友会第一回経営指針成文化セミナーに参加したことでした。以来18年間、経営指針を作成・発表・実践してきました。

 

経営指針の作成・実践を通じての教訓を大野氏は三つあげています。【1】経営指針の浸透と実践は人材育成の実践だということ。経営指針を社員教育の中心に置くことが重要。人材育成の基本は、経営理念を理解し自主・自律・自尊の精神を発揮して、P・D・C・Aを回すことが出来る人の育成です。【2】経営者は理想とする人材像を明確にすることと、社員の人生に責任を持つことが必要です。わが社の人材像は、自主・自律・自尊の精神を持った人材であるということです。会社をたとえ辞めることがあっても他の会社で、生き抜く力を養成すること。人材育成とは社会貢献です。【3】経営にはウルトラCはないということ。経営指針をしっかり作成して積み上げることこそ、経営者の任務だということです。

 

大野氏は「経営者は、たくさんやることがありますが手を抜かず、社員と正面から向き合って地道にやることです。そうでないと上手くいかない。」と結びました。大野氏の”粘り強く誠実な経営実践“は、同友会運動と企業経営を不離一体とする経営者にとって貴重で学ぶことが多い。

 

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